2024年3月19日

令和5年度 第3回学習会レポート

 はいさい!ちゅーうがなびら!令和5年度第3回学習会レポートです。

2023年度最後の学習会は肢体不自由学校での素敵な実践を3つご紹介いただきました。次年度に向けて力が湧いてくる会になりました。
①「自立活動でパソコンを使ってみる」 幸地英之氏 鏡が丘特別支援学校
高等部1年生の事例です。一貫していたのは将来的に必要な力として、生活に使える力にするには、という視点でした。視知覚に困難を抱える生徒に、音声入力やスクリーンキーボード、物理キーボード、トラックボール、プログラマブルキーボードなどの様々な入力方法を調整し、ビジョントレーニングと組み合わせて道具の使い方を学んでいました。また、ロボットプログラミングを通して、回転の軸を考えることや、体の動きのイメージ、空間のイメージを電動車椅子の操作につなげる視点が目から鱗でした。
さらに、会社を経営している教え子とFaceBookのメッセンジャーでつなぎ、進路などの相談の機会を作っていました。外の人とつなげることで、初めて1人で出かけたり、学校内だけでは得られないアドバイスをもらっていました。
コンピューターの活用は、生活にどのような意味を持つのか、それを生かすためにどのようにすればいいのか、今なお重要なテーマであり続けています。
②「遠隔授業で役立つ教材・教具の研究」 野原裕美氏
学校内のWi-Fiが整備され、オンライン授業が身近なものとなった中、スマートプラグを活用したオンライン授業の教材開発について、興味深いアイデアを共有いただきました。
スマートプラグは、コンセントに挿すだけで、iPadなどからアプリで接続した機器のON/OFFの操作ができる便利なツールです。このプラグを使って、扇風機の操作やモーターに接続した楽器を鳴らすなどの活動を通じて、反応が乏しい児童もオンライン授業の中で交流を深め、充実感を得たとの報告がありました。教材作りをまとめた動画や、実際に教具を動かしてみたりと楽しい発表でした!
③「発語のない児童の伝える力を高める指導の工夫」 安座間香凛氏
発語のない児童がトーキングエイドfor iPadを用いて、やりとりができるようになってきたプロセスをお話いただきました。
トーキングエイド導入時に2週間程度、キーボードを押しまくる乱れ打ちの時期がありましたが、ギャグのやりとりなどから徐々にコミュニケーションの道具になっていったそうです。このプロセスに学びや教師の葛藤もあり魅力的でした。
一方的な要求から、徐々にやりとりになっていき、それに伴って集団活動にも参加できるようになってきたそうです。単語と単語のつながりが増え、コミュニケーションの育ちが、言葉の発達につながっていくことが見えてくる事例でした。
素敵な実践を共有くださった皆様、参加くださった皆様ありがとうございました。
次年度もぜひご一緒しましょう。どうぞよろしくお願いします。





2024年2月6日

令和5年度 第3回学習会のお知らせ

ハイサイ、ちゅーうがなびら。1月に入りました。沖縄は暖冬です。日中は半袖のかたもいらっしゃいますね。

待ちに待った、令和5年度第3回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回は肢体不自由のある子どもを対象とした事例紹介3本立て!

日時:令和6年3月2日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:浦添市中央公民館
参加費:500円
※対面開催のみ

詳細は、ポスターをご覧ください。
申し込みはこちらをクリックまたはポスター内のQRコードからお願いします。

皆様の参加、心よりお待ちしています。

2023年12月1日

令和5年度 第2回学習会レポート

 はいさい、ちゅーがなびら。

 11月18日(土)、創設2年目の那覇みらい支援学校にて今年2回目のAT-Okinawa学習会が行われました。那覇みらい支援学校は、できたばかりということもあり充実した施設にも圧倒されました。
 今回の学習会の内容の一つ目は那覇みらいの赤嶺先生によるドロップレットシリーズの『DropTap』のワークショップでした。
 児童生徒の自発的な要求を促すための赤嶺先生の実践について説明を聞いた後に、実際にDropTapがインストールされたiPadを使って、イラストを入れたり、そのイラストの音声を自分の声で録音するなどの細かな操作方法や肢体不自由向けの外部スイッチによる活用方法など、すぐに実践に繋げることができるようなワークショップでした。使うイラストとしては、生徒が敬遠するようなものではなく、使いたくなるような内容を選ぶことがミソだそうです。
続いて、二つ目は同じく那覇みらいの小仙敏彦先生による、こちらもできたてホヤホヤのリリースされたばかりの『DropKit』の紹介がありました。(どこの学習会よりも一番早いかも?)
 ドロップスのイラストだけではなく、写真、テキスト、音声も入れて、いろんな教材が作成できるツール(こんなの待ってました)!
 今回は小仙先生が実際に作成した算数や国語の教材、そして作成方法についての説明がありました。
これまでは、パワーポイントやキーノートで時間をかけて作成していたような教材が、これ一つで簡単に作れちゃう特別支援教育にはとても有効な教材作成ツールとなっておりました。私の隣では、那覇みらいの知念元喜教頭も早速、自前のiPadプロに 1500円でインストールしていました。
 『DropTap』も『DropKit』もとても良いのは、作ったものを他の人とAirdropで共有できるということです。みんなでたくさんの教材を作成して、ライブラリー化することもできそうですね。
次回以降、DropKitのワークショップも検討していきますね。
今回の参加者は保護者も含めて30名ほどでした。会場の後ろでは、子ども等が遊べるスペースもあり、子連れでも気楽に研修を受けることができる環境となってました。コロナ禍にはできなかったワークショップがやっと持てるようになって感謝です。
参加されたみなさん、ありがとうございました。






2023年10月20日

令和5年度 第2回学習会のお知らせ

ハイサイ、ちゅーうがなびら。10月に入り沖縄も肌寒い季節となってきました。とは言っても、まだまだ半袖で過ごせます

待ちに待った、令和5年度第2回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回はあの!!コミュニケーション支援アプリDropTapのワークショップを行います。

日時:令和5年11月18日土曜日 10:00〜12:00 (9:30 open)
場所:那覇みらい支援学校2F会議室
参加費:500円
参加人数:40名

今回の学習会ではワークショップ形式で DropTap の使い方や、子どもたちの言語表出を補う支援の考え方について皆さんと一緒に共有できたらと思っています。DropTap がインストールされた iPad を 40 台準備しています。DropTapがインストールされたiPadをお持ちであれば、そちらをご持参いただいても構いません!

今回は対面開催のみとさせていただきます。

詳細は、ポスターをご覧ください。
ポスター内のQRコードまたこちらをクリックして、申し込みをお願いします。
皆様の参加、心よりお待ちしています。

2023年7月25日

第1回学習会レポート

ハイサイ、ちゅーがなびら。

だんだんと暑さも厳しくなってきた中、7月22日に令和5年度第1回AT-Okinawa学習会が行われました。今回も対面&オンラインでの学習会でした。
今回は3人の先生方の実践を発表していただきました。

1本目は沖縄盲学校の戸ヶ瀬哲平先生による「美術×テクノロジー」の実践発表です。戸ヶ瀬先生の前任校である八重山特別支援学校での実践発表で、1つの実践ではなくいくつかの実践を発表してくださいました。
粘土で作った目玉焼きを「こんな場所に目玉焼きないよね。」という場所に置いてiPadで写真を撮ったり、紙コップで大きな文字を作りそれをドローンで上から見たり、iPadで撮った写真の風景の中から顔を探してそれを表現させたりと、美術とテクノロジーをうまく取り合わせた面白い実践をいくつか紹介してくださいました。
またテクノロジーを使わない実践の報告もあり、とても内容の濃い盛りだくさんの発表でした。
戸ヶ瀬先生の「テクノロジーがなくても美術はできるが、1つのツールとして強力に作用する時もある。」という言葉が印象的で、これはどの学習場面でも同じ事が言えるのではと感じました。

2本目は島尻特別支援学校の吉里莉鶴先生による「ICTを活用した表現領域別の音楽授業実践」の実践発表でした。
音楽の授業の中で「SONG MAKER」というブラウザ上で音楽作りができるツールを使い、生徒たちがメロディを作成していました。表のマスをタッチするだけで音を入力することができ、簡単に音楽作りができることが魅力です。
表のマスをタッチすると色が変わることから、はじめは生徒たちに絵を描く感覚で自由に音楽を作らせていました。後半は音楽作りの2つの決まりを守りながら音楽を作成させたり、伴奏に合ったメロディを作成させたりと、生徒たちも楽しみながら音楽を作っている様子が伝わりました。

3本目は鏡が丘特別支援学校の重森誠仁先生による「重度・重複障害児に自分の意思で視線を動かす力を育む自立活動」ということで視線入力を活用した実践を発表していただきました。
左側の選択肢に手が伸びてしまいがちな児童に対し、視線入力学習で視線を動かすことに慣れることで右側にも手を伸ばすことができるのでは、と期待して視線入力学習に取り組んだそうです。
はじめは「対戦ぬりえ」のゲームを使って学習していましたが、左下ばかり色が塗られることからこの視線の動きに意図は感じられないと考え、新たに「絵を見ると好きな動画が流れる」という教材を作成していました。この教材を活用することで児童が意図的に視線を動かすことができるようになり、また児童の目の見え方や使い方の実態も把握することができていました。今では日付や曜日を、2択から左右どちらでもマッチングすることができるようになっているそうです。

今回、対面とオンラインを合わせて、全国各地から50名近くの参加がありました。3名の先生方の実践はどれも興味深く、夏休みの間にいろいろと試してみようと感じた方も多くいたと思います。

以上、令和5年度第1回学習会の報告でした。
第2回学習会は11月頃を予定しています。次回の参加もお待ちしております!

2023年7月4日

令和5年度 第1回学習会のお知らせ

ハイサイ、ちゅーうがなびら。沖縄は梅雨があけ夏本番です。

待ちに待った、令和5年度第1回AT-Okinawa学習会のお知らせです。今回はなんと!3つの実践発表がありますよ!前回に続き、ハイブリット開催でいきますよー。

日時:令和5年7月22日土曜日 10:15〜12:00 (10:00 open)
場所:教育福祉会館3Fホール または Zoom ※申込時に参加方法を選択してください

今回の実践は、肢体不自由のある生徒を対象とした視線入力の実践、美術教育とテクノロジー、音楽の授業におけるICT活用です。ワクワクしませんか?!

それぞれ詳細は、ポスターをご覧ください。
ポスター内のQRコードまたこちらをクリックして、申し込みをお願いします。
皆様の参加、心よりお待ちしています。


2023年2月26日

令和4年度 第3回学習会レポート(R5.2.23)

 ハイサイ、ちゅーうがなびら。第3回AT-Okinawa学習会の報告です。
今回は2年ぶりの対面&Zoomによるオンライン配信での学習会でした!そして、スペシャル企画として桜野特別支援学校の幸地英之校長による特別講演&2人の中堅、若手の先生の実践を発表していただきました。

 久しぶりの対面で程よい緊張感に包まれた中、1本目は、泡瀬特別支援学校の大嵩耕平先生による「自己の課題を発見し、解決する力を育成する遠隔合同体育授業-他学部・他校との競技対戦を通して-」として実践発表がスタートしました。
他学部や他校とコンタックによるオンライン対戦での交流を通して、生徒の成長について発表されました。コンタックとはボッチャに似た競技で、ボールを点数の的に向かって転がす競技です。コロナ禍で他者との交流が難しい中、オンラインでの対戦を行うことで生徒が自分の実態を知り、勝つために作戦を自分たちで考えたり、自ら練習を行ったりする様子が、発表の紹介を通して見れました。

 続いて2本目は、那覇みらい支援学校の小渡晋二郎先生による「主体的・対話的な学びを目指したICT機器を活用した授業実践-教育版マインクラフトを使った共同学習を通して-」の実践発表でした。
マインクラフトを学ぶのではなく、マインクラフトを手段にして街づくりを行い、児童がiPadを自分で操作し、家や図書館、動物園を作成していました。街づくりを進めていく中でお互いの感想を言い合ったり、お互いに協力してほしいことを話し合ったりすること増えたとのことでした。最後には自分たちが作った街を他の児童にも見てもらう発表会を行い、堂々と自分たちの言葉で発表をしている様子も映像で見られました。

 特別講演として、桜野特別支援学校の幸地英之校長先生に「沖縄の特別支援教育におけるICT活用の取り組みを振り返って」を話していただきました。
学校にパソコンを導入するところから始まり、インターネットの導入、IT教育センターの設立、iPadの導入、アプリの開発、無線LANの整備、特別支援学校教育支援システムについて、当時の写真を見ながら今回会場にいらした先生方との裏話も交えてお話しされていました。最後に「特別支援学校に必要なものを考えることができる人材に自分がなるという意識を持ってほしい」というエールをいただいて講演を終わりました。

 今回、Zoomと会場参加を合わせて30名以上の参加がありました。オンラインやiPadを活用した実践の発表やこれまでのICT活用の取り組みを聞いて、幸地先生が取り入れてくださったものしっかりと引き継いで活用していきたいと感じたと思います。

 以上で、今年度の学習会が終了!オンライン、久しぶりの対面形式を含め3回の学習会を実施できました!次年度もAT-Okinawaをよろしくお願いします!